2026年1月、徳島県の最低賃金は1,046円となりました。数年前まで800円台だったことを考えると、驚くべきスピードで変化しています。現場を預かる一人として、この数字の背景と「数年後の未来」を冷静に見つめてみたいと思います。

「実質賃金」が示す、上げざるを得ない理由

賃金は上がりましたが、それ以上に食料品などの物価が上昇(インフレ)しています。統計上、額面の給与(名目賃金)が増えても、生活に回せる実質的なお金(実質賃金)は減少が続いています。 つまり、今の引き上げは「贅沢」のためではなく、「従業員の生活水準を守るための防衛策」です。安心して仕事に集中できる環境を整えることは、地域で事業を続けるための大前提となっています。

1,500円まで「残り450円、あと3、4年」

見据えるべきは、政府が掲げる「1,500円」という目標です。 2020年代末の達成を逆算すると、私たちはあと3〜4年で約450円の上積みを迫られます。これは単なるコスト増ではなく、ビジネスモデルの「期限付きのアップデート」を促すアラートです。「その時」が来てから慌てるのではなく、今から1,500円を支払っても健全に利益が出る体質へ、舵を切る必要があります。

「耐える経営」から「生み出す経営」へ

この荒波を越える鍵は、以下の2点に集約されると考えます。

  • 「生産性のDX」: 無駄な事務作業をデジタルで削ぎ落とし、従業員が「人にしかできない価値」に集中できる時間を生み出すこと。
  • 「価値の再定義」: 提供するサービスの質を磨き、今の物価に見合った適正な対価をいただく勇気を持つこと。

時給1,000円超えは、より強い組織を作るための「号砲」です。徳島という地で、従業員と共に、一歩先を見据えた準備を加速させていきましょう。